岡　山

　岡山エリアを拠点とする「あなぶき・きなりの家」の、徳島市内での唯一の施工例であるYさま邸。元々奥さまが雑誌で同社の家を見て憧れていたそうで、遠方のため半ば諦めつつも「一度は実物を見ておきたい」とコンセプトハウスを訪れたところ、ご夫婦共に改めてその素晴らしさのとりこになったという。
　なんといってもまず目を奪われるのは、迫力のある自然石がゴロゴロと積まれた庭。石積みの周囲にもアプローチにも豊かな植栽が施され、住まいにみずみずしい潤いを添える。石を伝って水の落ちる蹲踞は、子どもたちもお気に入りの場所なのだそう。「コンセプトハウスのビオトープがとてもすてきで、ずっと見ていたんです。まさか自邸ではかなえられないと思っていましたが、そのエッセンスをわが家ならではの水と緑の空間へと見事にアレンジしていただけました」と、ご主人は感激の面持ちで話す。メインルームは屋根構造を現しにしたダイナミックな空間。南に向かって下る太い垂木が壁を貫いてつくる深い軒は、夏には日射を防ぎ、冬には暖かい日差しを取り込むパッシブデザインの効果も。壁面はほぼ全てガラス張りになっており、リビングから軒下の広い縁側まで、内外の境なくつながるように感じられる。また伝統的な設いにモダンな感性を加えた和室は、雪見障子から美しい坪庭を眺められる。
　「見た目の美しさや住みやすさに満足しているのはもちろんですが、思わぬ喜びは、暮らしぶりが変わったこと」と語る奥さま。同社に出会うまでは、住宅に対してあまりこだわりがなかったというご主人も、今では庭に出ては花を愛で、四季の移ろいを楽しんでいるという。