岡　山

上質な木の風合いに包まれて、心穏やかに暮らしを愉しむ。

　四方を広い田んぼに囲まれた、のどかな郊外の分譲地に立つOさま邸。当初はモダンなガルバリウムの家を希望していたご夫婦だったが、話を進めるうちにいつの間にか考えが変わり、落ち着いた和の趣を持つ平屋の住まいへとイメージを固めていったという。いくつかの工務店に相談したところ、「イチマルホーム」のプランには自分たちのかなえたいこと全てが自然なカタチで盛り込まれ、かつ予算内にきちんと収まっていたことから、依頼を決めたそうだ。 　設計にあたって特に重視したのが、スムーズな生活動線。廊下をなくし、キッチン脇から寝室、ウォークスルークローゼット、サニタリーを回ってキッチンに戻れる、行き止まりのない回遊動線をつくった。どこにいても見通しが良く、家事をしながらでも小さなお子さまと愛犬の様子を安心して見守れる。 　南からなだらかに下ってくるダイナミックな勾配天井のリビングは、平屋ならではの魅力。デッキに面した大きな掃き出し窓に加え、天井際の高窓からも気持ちの良い光と風が入ってくる。建具を丁寧に造作した小上がりの和室、書斎代わりの小さなカウンターデスク、日当たりのいいデッキなど、それぞれにくつろいだ時間を過ごせる居場所があつらえられている。 　「これから時が経つとともに、無垢の木の色艶が深まっていくのも楽しみ」とほほ笑むご夫婦。ゆったりとソファに座り、見上げれば天井から外の軒裏まで貫くように美しいタモ材の板目が続く。そんなわが家の姿をただ眺めているだけで、穏やかに心が満たされていくという。