愛　媛

日常と非日常が交差する　二つの顔を持ち合わせた家。

　経験豊富な職人たちの確実で丁寧な仕事ぶりはもちろん、施主に寄り添うという姿勢を大切に、設計から施工までを一貫して行っている今治市の「タニグチ」。同社が掲げる「ホーム・スイート・ホーム」のキャッチフレーズがぴたりと当てはまるこの美しい住まいは、同社専務・谷口賢直さんの自邸だ。 　躯体は鉄骨で､内装は自然素材で仕上げる「タニグチ式鉄骨住宅」の魅力が色濃く反映された平屋。建物は東西に細長く、玄関、LDK、和室が主にゲストをもてなすパブリックゾーンの役目を、LDKから奥は寝室や子ども部屋、浴室などを配置するプライベートゾーンとしてすみ分けしている。各部屋の引き戸やキッチン入口の格子戸といった室内建具をはじめ、TVボードやキャビネットなどの家具類も全て職人が手造りしたもの。居住性はもちろん、健康に優しい素材選び、ずっと飽きないビジュアルを大切に考え、一棟一棟手間暇を掛けるという同社の家づくりの真骨頂が随所に垣間見える。 　住宅街の中で隣家と密接するロケーションに立つ谷口邸だが、LDKは一日中光が入って明るく、風通しも良い。閉塞感を感じない開放的な空間づくりに一役買っているのは、現しの梁がアクセントになっている高い天井と、光と風を導くために南北の壁に設けた高窓だ。「家族が顔を合わせコミュニケーションを深める場所だからこそ、みんなが常に快適に過ごすことができる設計と技術を注ぎ込んでいます」と谷口専務は胸を張る。その隣りで話を聞いていた娘の永里花さんも「木がたくさん使われているので家じゅうが優しい雰囲気。高い所に窓があるので光がたくさん入ってきて、昼間はとても明るく、気分も明るくなります。快適に過ごせるこの家が大好き！」と満面の笑みを浮かべていた。