SETOUCHI MINKA

地元の木を使った家づくりがお得にかなう!瀬戸内6県の県産材利用促進事業。

ふるさとの山の木で家を建てることは、ふるさとの自然とともに生きるということ。その選択は、快適で豊かな暮らしを営んでいくための大きな一歩になるかもしれない。未来を見据えた県産材での家づくりの普及に、瀬戸内各県も助成制度を設けるなどして取り組んでいる。兵庫・岡山・広島・山口・香川・愛媛各県の県産木材を使った家づくりへの補助金交付や各種優遇に関わる独自の制度について紹介。瀬戸内の各県で無垢の木や自然素材に包まれた住まいを建てたいと考えている人はぜひ参考にして、各制度を上手に活用しよう。※令和3年10月18日現在の情報です。制度の期間・内容などは事前に各県担当課までお問い合わせください。

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瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

◎兵庫県「兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度」

写真提供/兵庫県林務課  

環境と健康に優しい家がお得にかなう。

兵庫県は県土の約7割を森林が占め、そのうちの約4割がスギ・ヒノキの人工林。戦後復興や高度経済成長期の旺盛な木材需要に応えるため、国を挙げて植栽されてきたもので、 その6割以上が収穫可能な成熟した木に育っているという。まさに、使うなら今が旬のスギ・ヒノキが豊富にあるといえる。

兵庫県が実施している「兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度」は、県産木材を使った木造住宅の新築やリフォームをする県民を対象に、県と金融機関が協力して資金を融資する住宅ローン。他の固定金利型住宅ローンと比べて金利が低く、25 年目までは返済期間を通じて0.8%の融資利率が固定して適用されるので、安心して資金計画を立てられる(26年目以降は1.8%)。また、県産粘土瓦の使用や、高強度梁仕口「Tajima TAPOS」技術の活用といった上乗せ条件を利用すれば、最大3,200万円まで融資を受けることが可能だ。

【問い合わせ】 兵庫県林務課  ☎078-362-9224 https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk14/af13_000000017.html

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◎岡山県「おかやまの木で家づくり支援事業」

写真提供/岡山県木材組合連合会

全国トップクラスのヒノキ材生産県。

県土の約7割を森林が占める岡山県は、素材(丸太)生産量が全国の1.7%を占め、47都道府県中18位。中でもヒノキの素材生産は盛んで、2012 年~2016年、2018年には47都道府県で1位に輝くなど、日本有数のヒノキの産地として知られている。それとともに木材の流通・加工施設が数多く立地しており、西日本でも指折りの国産材加工県だ。

岡山県では、環境への負荷が少なく再生可能な循環型資源である県産材を積極的に使ってもらうことを目的に、県産乾燥材や県産森林認証材を使用して新築住宅やリフォームを行う事業者を対象に助成金を交付する「おかやまの木で家づくり支援事業」を実施している。同事業では、新築住宅で県産材を8㎥以上使用する場合に定額20万円を交付。また、県産森林認証材を4㎥以上使用する場合には1㎡あたり3万円(最大24万円)の助成金が受けられる。平成30年7月豪雨災害の被災者なども対象。県産材は集成材・CLTも含まれる。

【問い合わせ】岡山県木材組合連合会 ☎086-231-6677 http://www.kaiteki-kinoie.or.jp

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◎広島県「県産材消費拡大支援事業」

写真提供/広島県農林水産局林業課木材産業グループ 

高品質材を豊かに育む森林に恵まれた地。

広島県の山々に見られるスギ・ヒノキの多くは、戦後に植樹されたもので、大切な資源として育てられてきた。そして現在、それらの資源は利用期を迎えている。森林は山の景観を美しくし、私たちの生活に大切な水源を保護してくれるだけでなく、山から切り出して建材などとして利用すれば都市内に炭素を蓄えることができ、新しく植樹された苗は空気中の二酸化炭素を吸収しながら成長し、次の世代が利用できる資源としてつながっていく。

広島県では、森林が持つこれらの特性を生かすため、県産材を利用して木造建築を手掛ける住宅建築会社などに対し、利用量に応じ、その経費の一部を助成する「県産材消費拡大支援事業」により、建築分野での県産材利用を促進し、県産材の供給体制の構築および森林整備の促進を目指している。

【問い合わせ】 広島県農林水産局林業課木材産業グループ
☎082-513-3688 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshimano morizukuri/kensanzaikenchikushien.html
(「県産材消費拡大支援事業」HP)

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◎山口県「自信満々 やまぐち木の家」

写真提供/山口県ぶちうまやまぐち推進課

東大寺再建にも用いられた良質な木。

かつて奈良県の「東大寺」の再建にも使われたという山口県の木。県土の約7 割を占める緑豊かな森林には、良質なスギやヒノキが豊富に植生している。山口県は2006 年に独自の「優良県産木材認証制度」を創設。短辺90mm 以上の住宅建築用の構造材で、木材の持つ「強度」「含水率」「寸法基準」「材面基準」といった認証基準を定め、この基準に合致したものを「優良県産木材」として認証。数本に1本のサンプリング検査ではなく、申請分の木材すべてに厳格な検査を行っている。

この優良県産木材を利用した住宅への助成も実施。「自信満々やまぐちの家」と銘打ったこの制度では25万円を交付。対象は県内に建てられる新築住宅で、延床面積80㎡以上、構造材に占める優良県産木材の割合が60%以上、下地材などを加えた県産木材の割合が70%以上で、国が定める住宅性能表示において耐震・耐久・省エネの各基準を満たすものとなっている。

【問い合わせ】山口県ぶちうまやまぐち推進課 ☎083-933-3395 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp

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◎香川県「ひのき住宅助成事業」

写真提供/香川県みどり整備課

年輪が均等で歪みの少ないヒノキ。

香川県産のヒノキは、1970 年代に松食い虫の被害を受けたマツに代えて植林されたものが多く、樹齢を重ねて柱材などに適した大きさに育ってきている。雨量の少ない讃岐の地で長い時間をかけて成長していくことから、香川のヒノキは年輪が均等で歪みが少なく、加工しやすい住宅の建材として優れた特質を持つといわれている。

香川県では、県内の製材業者らがつくる協議会が認証した「認証ヒノキ材」を住宅に使用する際に、購入費用の一部を補助する「かがわ県産ひのき住宅助成事業」を行っている。県内で住宅を建てる人に対し、1 軒当たり最大50 万円を助成する制度で、新築住宅に3㎥以上使うことを条件に1㎥当たり1 万円の補助が受けられる。また、使用量が15㎥を超えた場合には同4万円の特別加算もある。新築だけでなく、増改築・リフォームも対象。

【問い合わせ】香川県みどり整備課 ☎087-832-3464 https://www.pref.kagawa.lg.jp

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◎愛媛県「①地域材利用木造住宅利子補給制度」「②『えひめ地域材の家』建設推進事業」「③愛媛県産柱材プレゼント」

写真提供/愛媛県建築住宅課・林業政策課

価値あるヒノキ・スギが育つ林産県。

愛媛県にはスギやヒノキが豊富に植生しており、スギ・ヒノキ素材(丸太)の生産量は全国上位で、これらを加工した製材品もトップクラスの出荷量を誇る林産県だ。県産のスギ・ヒノキの中でも、「JAS規格乙種2級以上」「含水率20%以下」「丸み無し」などのJAS規格を参考に県独自の品質基準をクリアしたものを「媛すぎ」「媛ひのき」としてブランド化。木材ならではのクセが抑えられ、安心して使える木材として高い評価を集めている。

愛媛県には、主要部材に地域材を50%以上使用した木造住宅を建設・購入する施主が指定金融機関の融資を受ける場合、最長5年間の利子を補給する制度や、主要部材に地域材を30%以上使用した木造住宅を建設・購入する施主に対し、協定金融機関が融資資金の金利優遇を行う制度、さらに、愛媛県林材業振興会議による家の柱材約1棟分の県産材を無償提供など、県産材を使った家づくりへの各種助成制度が充実している。※それぞれ各種条件あり。

【問い合わせ】①②愛媛県建築住宅課 ☎089-912-2758 ③愛媛県林業政策課 ☎089-912-2589 https://www.pref.ehime.jp

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家づくりに使われる無垢材や自然素材に関する記事はこちら!

https://www.setouchiminka.jp/setomin-journal/journal-mukunokito-shizensozai.html
https://www.setouchiminka.jp/setomin-journal/journal-mukuzai-shizensozai.html

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