陽光を受けて艶やかにきらめく淡路のいぶし瓦と、むくり屋根のたおやかな曲線が美しい外観が目を引く。内外共に華美な装飾を避けながら手の込んだ繊細な仕上げ。国産の木材をはじめ、自然素材を多用し、数寄屋建築ならではの様式美を際立たせている。書を愛するご主人と、花を好むしとやかな奥さまの生活スタイルや人柄を反映させたという設計。リビングの大きな壁や畳敷きの玄関、和室の床の間などには、定期的に取り換えるというご主人の作品や奥さまの生け花がセンス良く飾られ、格式高い料亭や上質なギャラリーのような趣だ。居住性もしっかりと考えられており、高い断熱施工と自然素材をふんだんに使うことによって、室内は一年中快適な環境に。夏は吹き抜ける風で涼しく、冬は無垢材ならではの温かさに包まれ、寒い朝でもエアコンを入れずとも暖かい朝を迎えられるそうだ。床や柱、天井に用いたさまざまな種類の無垢材の木目、手作り感あふれる造作建具や意匠性に富んだ装飾の数々。どこに視点をおいても飽きることなく、美へと至る。
建築実例データ | |
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当社の家づくりの基本は、地域の気候や風土と調和のとれたつくりであること。そして、閉ざされた空間ではなく、地域の中に溶け込む空間であること。それは住まう人の暮らし方にも通じます。流行を追うことなく、時が経つほどに味わいが増し、住まう人も同様に豊かさを重ねていける。そういう家づくりを大切にしています。
代表取締役 壺谷 泰久